私たちが自由にもの言えなくなる社会をつくろうとしてる

 水野スウさんがFacebookで「緊急事態条項」のことをとてもわかりやすく書いていましたので、紹介します。

 

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憲法をかえる・かえないの国民投票の前に、あなたにどうしても知ってほしいことがあります。

今の日本国憲法と、自民党改憲草案との違い。とりわけ、今の憲法にはない「緊急事態条項」のこと。

改憲のてはじめとして、まずここからかえるだろう、と言われている条項です。

大災害やテロを口実に、これを憲法に書き込むことが必要と政府は言うけど、本音は、私たちが自由にもの言えなくなる社会をつくろうとしてること。

憲法も国会も停止した中で、総理大臣がすべての権限を手にし、総理大臣の決めることが”法律”になるってこと。

国民投票のしくみについても、どうか知っていてください。

憲法のここをかえよう、という議論が秋の国会ではじまって、それに賛成する議員が衆参ともに3分の2いれば、憲法かえよう、と正式に言いだすこと=発議ができる。

参院選の結果、改憲派の議員の数が両院とも3分の2を超えたので、発議のハードルはもうちっとも高くありません。

改憲発議のあとは、憲法をかえる・かえないの国民投票が、60日から180日以内に行われるきまりです(一番長くて、たった半年!)。

その国民投票、たとえどんなに投票率が低かろうと、有効投票数の過半数の賛成で、憲法が、本当にかえられてしまいます。

もしもこの国が100人の村だったとして、多くの村びとが、憲法なんて知らないよ、関係ないさ、って思っていて、村の20人しか投票に行かなかったとします。

そのうちの10人が賛成したら、憲法はもう書きかえられてしまう、ってことです。

草案の中味を知っていて、賛成する人ももちろんいるでしょう。

でもまるで知らなくて、国民投票にも行かなくて、あなたの自由や尊厳が奪われたあとでそれに気づくっていうの、いやじゃありません?

知ってたんなら、なぜ言うてくれなかった、もっと早よから言うとってや〜〜!って言いたくなりません?

だから、知ってる人は、今からまわりに言おう、知らせよう。

私も知っちゃったので、知ったものの責任として、伝えよう、伝えなくちゃ、と思うのです。

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 そうなんです。緊急事態条項のことをもっともっとたくさんの人たちに知らせないと、本当にまずいと思っています。緊急事態条項は一度通ってしまうと、元に戻す手立てがありません。期限もないし、国会も開かれません。独裁政治がずっと続くことになります。戦争がはじまっても、それに対して抗議もできません。自由にものが言えません。基本的人権は大幅に制限されます。マスコミも自由に報道ができなくなります。情報を得ることが全くできなくなります。かつての戦時中と同じになります。

 

 岩波ブックレットの『憲法に緊急事態条項は必要か』によれば

大日本帝国は国家緊急権の濫用の結果、軍隊が暴走し、中国への侵略戦争をおこない、ついに、アメリカとの総力戦、つまり太平洋戦争という究極の「緊急事態」を日本に招くことになりました。国家緊急権の濫用がどのような事態を招いたかは太平洋戦争の末期を見れば明らかです。」

 

 憲法解釈改憲などといったものを平気でおこなう安倍政権は、もう暴走しています。緊急事態条項を手に入れれば、もっと暴走することは火を見るより明らかです。暴走の果てに何があるか、私たちはしっかり想像する必要があります。子ども達の未来のためにも。

 

  参考になるサイト、本を紹介します。

★災害時に緊急事態条項は必要らしいと思っているあなたに(参院選前に書かれたサイト)

sealdspost.com

 

★永井弁護士の講演会

j-c-law.com

 

 ★『憲法に緊急事態条項は必要か』

 https://www.amazon.co.jp/憲法に緊急事態条項は必要か-岩波ブックレット-永井-幸寿/dp/4002709450

 

 

★WEB  RONZA

webronza.asahi.com

 

★9条改正よりもヤバい緊急事態条項

www.facebook.com

 

★あたらしい憲法草案のはなし

www.tarojiro.co.jp

  

『女性自身』(8月2日号)

女性週刊誌がここまで書くのは、それだけ大変な政治状況だということです。

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 読みにくいので、大事な部分を書き出します。
神戸女学院大学名誉教授の内田樹さんは
「安倍首相には任期というタイムリミットがあります。次の衆議院選挙で三分の二取れる保証もない。だから、短期決戦に出てくるはずです。9条や基本的人権の尊重などに手をつけると、国論を二分する騒ぎになる。それを調整するだけの時間的余裕が政権にはありません。ですから憲法本体には手をつけず、「緊急事態条項」の「加憲」の一点張りで勝負に出ると予測しています」
 更に「『緊急事態条項』を通せば、それからあとは何が起きようと、総理大臣がこれは『緊急事態』だと認定すれば、憲法が停止できます。政府の出す政令が法律に変わる。つまり事実上の独裁体制が成立します。緊急事態条項というものを国民は震災や津波のようなときに行政府に権限を集中する緊急避難的措置のようなものだと理解しているのでしょうけれど、その本質は憲法停止の条件を定めたものです。『改憲』ではなく『廃憲』です。緊急事態条項さえ通せば、総理大臣は憲法を好きなときに停止できる。つまり、国民主権立憲主義をうたう憲法の全体が無効化されるということです。改憲の本丸は『緊急事態条項』です。9条などで収拾がつかなくなったときに『では、どなたも異論のなさそうな緊急事態条項を加えるというところで妥協します。』と引き下がるポーズをして見せて、全権委任を手に入れる。官邸は今、そういう絵を描いているはずです。
 ですから『緊急事態条項』だけは絶対に通さないという強い意志を、読者のみなさんが持っていて欲しいと思っています。」

 

www.excite.co.jp