手足を失った子どもたちの未来を考えたことがあるのだろうか。
『紛争地の看護師』という本を読みました。「国境なき医師団」に所属する看護師さんの、紛争地のまっただ中での活動の記録です。何も悪いことをしていないふつうの人たち、子どもたちが、武器という暴力で、どうしてこんなにも傷つかねばならないのか、辛い、やりきれない思いで読みました。
ある夜、血だらけになった子どもたち8人が運ばれてきます。筒状のおもしろい形をしたもので遊んでいたところ、突然爆発し、子どもたちの手足を吹き飛ばしたといいます。筒状のものは時限爆弾でした。
朝まで子どもたちの手足の切断手術が続きます。片足だけの子、両足の子、手と足の子…
「みんなまだ麻酔から覚めずに寝ていた。
彼らは自分たちの手や足がなくなってしまったことはまだ知らない。このまま起こしたくなかった。」
これから先、彼らは何を思って生きていくのだろう。想像しただけで辛くなります。
武器を作った大人たちは、手足を失った子どもたちの未来を考えたことがあるのだろうか。
日本の首相は憲法をなんとしても変え、日本を戦争のできる国にしたがっている。戦争をすれば必ず犠牲者が出る。犠牲になる人たちがどんな風になるか、想像したことがあるのだろうか。手足を失い、目を失った子どもたちの人生を考えたことがあるだろうか。両親を失った小さな子どもの人生を考えたことがあるだろうか。
この本には、そのリアルがある。辛くなるほどのリアル。
暴力に満ちたこの世界にあって、私たちに何ができるのだろうと考える。まずできることは「国境なき医師団」に資金援助すること。更には、この日本が戦争を起こさないようにすること。