タカサキきんこんかん

タカサキのキンコンカンの日々

おだやかな表情        (寄り添い日記−1)

  二週間前、うつ病がひどくなって病院に入院した娘の見舞いに行ってきました。

 最近になくおだやかな表情だったので、ちょっと安心しました。今日はアロマの香りの中でリラクゼーションをやったり、ヨガをやったと楽しそうに話してくれました。

 うつ病を発症したのは大学1年の時。デザインの勉強がしたくて女子美術大学に入ったものの、1ヶ月くらいで全く学校に行けなくなりました。いろいろ調べるとうつ病にあたる項目がたくさんあって、心療内科で治療がはじまりました。

 うつ病になると、学校に行きたい気持ちがあっても、体が動きません。うつ病は気分だけの病気ではなく、体が動かなくなる病気であることを初めて知りました。あれがやりたいこれがやりたいと思っていても、体が動かなくなるのです。体が動かないと、予定が立てられません。人生の計画、夢も立てられません。これはとてもきついことです。

 ゆっくり休んで薬を飲んでいれば回復すると思っていたのですが、そんな甘い病気ではありませんでした。結局大学には4年籍を置いていましたが、ほとんど行けませんでした。何とかがんばってやっとたどり着いた学校で、ずっと休んでいた授業の教員から、「やる気がないのか」などと心ない言葉を浴びせられ、ひどく傷つき、更に学校へ行けなくなったこともありました。この時はさすがに学校に抗議しましたが、傷ついた心は回復できません。

 毎年履修届だけは張り切ってやっていましたが、やっぱり一ヶ月くらいたつと行けなくなりました。後期のはじめだけはまたがんばっていこうとしていましたが、これも続きませんでした。そばで見ていても、病気がだんだんひどくなる感じでした。

 調子が悪くて寝込んでしまう日が増え、大好きなサッカーの試合(湘南ベルマーレの大ファン)にもチケットを買っていながら、体が動かなくて行けない日が続きました。メンタルクリニックにも予約した日に、やっぱり具合が悪くなってドタキャンする日が続きました。

 いよいよ追い込まれ、うつ病の治療に力を入れている病院に入院して治療することにしました。本人も納得の上とは言え、入院してしばらくはとても不安だったようで、「もう退院する!」とメッセージを送ってきたり、親しい心療内科の先生に電話して、泣きついたこともありました。

 それでも二週間たつと、同じ病気を抱えた方と話ができたり、生活が規則正しくなったり(家にいるときは体が思うように動かないため、とにかく生活のリズムがめちゃくちゃでした)、アロマの香りの中でリラックスする時間があったりで、少し自分を取り戻せたようでした。

 入院は2,3ヶ月と聞きました。それで快復するのかどうか、なんともわかりません。この先の人生もどうなるのか、計画が立てられないところが辛いところです。まだ若いだけに(22才)、これからの人生、どうなってしまうのか、とても不安がっています。その不安にどこまで寄り添えるのか、私にとっても大きな試練です。その試練の日々を時々書いていきたいと思います。

 

 昨日のおだやかな顔がこれからも続くことを祈っています。